最終章

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(第1話)

最終章 第1話 最終章 第1話

戦場に斃れた嘉一郎を、一人の敵将が抱き上げ、その南部士魂を讃える

戦場に斃れた嘉一郎を、一人の敵将が
抱き上げ、その南部士魂を讃える

かくして箱館戦争の激戦は終結した。もとより戦力差は圧倒的で、旧幕府軍の兵士たちは千代ヶ岡の戦場に屍を晒し、その中には「百姓権平」を名乗り陣に加わった吉村嘉一郎の姿もあった。薄れゆく意識の中で、一足早くあの世へ旅立つ不孝を心中で母に詫びる嘉一郎。そんな彼を抱き上げ、声をかける一人の敵軍将校がいた。彼は薩摩の黒田と名乗り、最期の介錯を懇願する嘉一郎に対して逆に「死して護国の鬼になる」ことを願う。そして嘉一郎にピストルを渡し「南部の士魂をしかと見届けた」と告げて去るのだった。

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