あらすじ

慶応四年一月、
戊辰戦争中屈指の大激戦
「鳥羽伏見の戦い」で
幕府軍が総崩れの敗北を喫した直後、
大坂の南部藩蔵屋敷に一人の男が辿りつく。
彼の名は、吉村貫一郎。
知る人ぞ知る「新選組最強の剣士」と
噂された男である。
満身創痍の彼は敗走を重ねる新選組と別れ、
家族の待つ南部への帰参を願い出る。
吉村は、実は南部藩の脱藩者だったのだ?
だが非情にも、下された命は「切腹」。
藩邸の座敷で、一人死を前にしつつ、
彼の回想が始まる。
なぜ最期の際になって、
吉村貫一郎は新選組を離れ、
生きようとしたのか? 

やがて、彼の生涯を探ろうとする
一人の若者によって、
彼にまつわる様々な証言者の口から、
吉村の生涯、
そして幕末を駆け抜けた
「新選組」をはじめとする、
最後の武士たちの生き様が
徐々に浮かび上がってくるのだ。

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