壬生用語辞典

第8回
(単行本第2巻)P003〜P028

光縁寺
光縁寺
(こうえんじ)

新選組隊士たちの眠る墓所がある、浄土宗の寺院です。
『壬生義士伝』では壬生にあったことになっていますが(実は新選組が結成した当初、屯所も壬生の八木邸と下京の前川邸に分かれており)このお寺の所在地は壬生ではなく現在の京都市下京区四条大宮町(分宿していた前川邸の近所)の方です。
近藤たちと意見が衝突し、組から脱走して切腹させられた元総長の山南敬助ほか(やはり隊規違反で切腹させられたと思われる)数名の隊士たちの墓碑もあります。
また、沖田総司のラブロマンスの相手だった?(哀しくも近藤勇によって、その仲が引き裂かれたという伝説あり)京娘と縁のある墓なども遺されていて、現在では新選組ファンの聖地の一つともなっていますね。

→初出 第2巻p17

業物
業物
(わざもの)

本サイトのコラム「壬生義士伝異聞」でも取り上げる(予定)ですが、歴史に名だたる名刀は「大業物」「良業物」「業物」などにランキングされ、新選組隊士たちも、腕に覚えのある者はそれなりに名だたる業物を手にしていたようです。
それが本編でも登場するような、沖田総司の場合だと「加州清光」(ほかに「菊一文字則宗」「大和守安定」も所持していたという説あり)、斎藤一だと「池田鬼神丸」といわれています。ちなみに「刀剣〜」ファンの方だと「加州清光」「大和守安定」などと聞けば、別の美少年キャラを想い浮かべるようですね。
ちなみに業物クラス以上の(たとえば「菊一文字則宗」は良業物)刀になると、値も50両ではとても手が届かない、大名クラスの持ち物となってしまいますから、自身で吹聴している刀の銘は(後世の戯作者が語ったものも併せて)少々、割り引いて考える必要があるかも…。

→初出 第2巻p23

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