壬生用語辞典

第三章 第7話
(単行本第5巻)P167〜P191

神道無念流
神道無念流
(しんとうむねんりゅう)

新選組のナンバー4(二番隊長)だった永倉新八が免許皆伝を受けていた剣術流派です。江戸中期(1750年代・宝暦年間)に創始され、元々は居合術(鞘から刀を抜き放ちざまに、敵に一撃を与える剣術)を旨としていたそうですが、実際にはこの術を修めた剣士はほとんどいなかったとも伝えられています。
ちなみに永倉新八は、新選組隊士の中ではもっとも長生きした一人で、鳥羽伏見の戦から甲陽鎮撫隊として勝沼へと転戦、さらに明治に入ると北海道小樽へ渡って、月形潔(月形半平太のモデルとして幕末劇で有名です)の招きで樺戸集治監(刑務所)の剣術師範となりました。さらに最晩年には東北帝国大学農科大学(現北海道大学)の剣道部を指導したと伝えられます。享年は大正4年(1915年)、75歳でした。

→初出 第5巻p170

鎖帷子
鎖帷子
(くさりかたびら)

西洋ではチェインメイルとも呼ばれる防具で、見ての通り鎖状の金属で編み込まれた一種の肌着です。古くは紀元前の古代ケルト人が着用したそうですが、わが国でも戦国時代以降に、甲冑の下に着こんで用いたと言われています。

→初出 第5巻p182

醒ヶ井
醒ヶ井
(さめがい)

現在の京都市下京区住吉町周辺で、ここに新選組の新屯所が(西本願寺から慶応3年・1867年に移転して)置かれていました。おそらく地の利がよいため、局長・近藤勇の妾宅もこの周辺に置かれ一種の接待所として利用されていたのでしょう。
御陵衛士の伊東甲子太郎もこうしたプライベートな場所だったので、油断し単身で招かれたと思われます。

→初出 第5巻p188

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