壬生用語辞典

第七章 第4話

額兵隊/伝習士官隊
額兵隊/伝習士官隊
(がくへいたい/でんしゅうしかんたい)

両隊とも、いわゆる幕末に組織された「幕府諸隊」に分類される組織です(新選組も広い意味で、これに該当します)。平たく言うと、幕府直属もしくは奥羽越列藩同盟など「反薩長土肥=反新政府軍」側に立って戦った諸々の軍事組織、と考えてください。
「額兵隊」は旧仙台藩士たちの組織で、西洋式砲術を導入した藩が慶応4年(1868年)に組織しました。ところが当初、奥羽越列藩同盟に参画した藩が翻意して新政府側に恭順したため、隊長の星恂太郎が激怒。旧幕府海軍の榎本武揚の説得に応じて脱藩隊士約250名と共に箱館戦争へ参戦することになります。
また「伝習士官隊」(伝習隊)は、同じく西洋式軍隊として組織された幕府(陸軍)歩兵精鋭で組織された部隊です。戊辰戦争の転戦を経て箱館戦争に辿り着き、別行動を取っていた旗本子弟たち約700名が集結した際に「伝習士官隊」を名乗りました。元々の出自が新選組と軌を一にしていた事情もあって、彼らは土方歳三の指揮のもとで戦ったわけですね。

→初出 第七章 第4話 p02

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