最終章第2話でも最終ページあたりで登場、二代目吉村貫一郎の下宿先を訪ねてきた人物ですが、実は初代貫一郎の竹馬の友で南部藩では勘定方を務めた重鎮・大野次郎右衛門の元中間(藩士に仕えた小者)でした。また初代貫一郎が大坂の南部藩蔵屋敷で切腹を遂げた際には、その最期を看取った人物でもあります。明治維新の後には上京、侠客となり新宿で口入れ屋(人材派遣業)の「大野組」を取り仕切っていました。このあたりの事情は本書11巻【中間・佐助編】に詳しく解説されています。
→初出 最終章 第3話(p10)
雫石は盛岡から西におよそ10キロに位置する集落で(現在の岩手県岩手郡雫石町)、さらにその西は秋田県仙北市に接しています。本編では吉村貫一郎の妻・しづの実家があり、貫一郎の脱藩に際しては家族にまで罪が及ばぬように親族を頼り、盛岡城下から疎開していたところでもあります。
→初出 最終章 第3話(p14)