壬生義士伝とは

本年3月、『壬生義士伝』第7巻発売をもって、いよいよ第三章「池田七三郎編」が完結。
しかし実は、本サイトで引き続き第四章「斎藤一編」へと、このまま一気に連載継続…とはいかない事情があるのです。
実は『壬生義士伝』をはじめ、ながやす巧先生の手により生み出される迫真の画稿の数々は、先生独自の漫画術とプロセスで生み出されていて、その一部は本年 3月23日、NHK の Eテレにてオンエアされた「浦沢直樹の漫勉 ながやす巧」の回でも紹介されたのですが、ここで改めてその全貌を御紹介し、併せて現在の執筆状況や今後の連載(サイトアップ)予定等の情報をお届けしましょう。

 

メインカット

第1回
アシスタント不在で
480ページ「一気通貫」

連載漫画は通常だと──週刊や隔週、月刊連載でも同じなのですが──だいたい数10ページの単位で、ネーム(セリフ入りのラフ)をまず起こして、それから編集担当さんのチエックを経てから下描き、ペン入れ、それから仕上げ…と進んで行き、セリフの写植を貼って原稿完成、というのがプロセスです。
また、雑誌連載などの場合、背景やトーン、ベタ処理などを含め、一人の作家さんに数人のアシスタントがつくのも常識ですね。 最近ではデジタルで、たとえばペン入れのあと原稿をスキャンしてトーンやベタ、背景処理をしたり、あるいはペン入れせずに直接ソフト使ってタブレット入力する…なんてハイテクを駆使して省力化する作家さんも増えてきたけど、基本的な作業の流れは変わりません。

ところが『壬生義士伝』の場合は、これとはかなり異なるプロセスで描かれています。名付けて「ながやす巧流漫画術」。
ながやす巧流にはさまざまな特徴があるのですが、まずその最たるものが、
「アシスタントを一切使わない」
「章全体を、一気同時に作業する」
という執筆スタイル。
ながやす先生はポリシーとしてデビュー以来、アシスタントを使っていません。つまりあの細密なペンタッチ、キャラクターから背景に至るまで、実は先生がたった一人でお描きになっているのです。

本編カット

さらに驚くのは、一章およそ480ページのボリュームを、数か月…それどころか、年単位の時間をかけ、まとめて仕上げるという形を取っていること。 当り前の話ですが、ネームも下描きも一気に480ページ分、ペン入れ作業も480ページ分。最終的には完成原稿もドカン! と大ボリュームで仕上がってきます。 実は本サイトの連載は、この一気に上がった膨大なボリュームの原稿を、24ページ単位で区切ってアップしているわけなのです。 もちろんドカンと上がるまでには、それなりの時間がかかるのは当然。 現在、第4章「斎藤一編」サイトアップをしばらくお待ち頂いているのは、そういう事情によるわけです。

では、次回から驚異の(!?)「ながやす巧流」漫画術のあれこれを、詳しく解説していきましょう。

次回
「準備2年、資料写真3千枚超!」に続く
イラストカット
2017.10
『壬生義士伝』執筆状況

第8巻&第9巻「斎藤一編」
人物のペン入れ終了、
現在背景の描き込みを
鋭意作業中

掲載予定は2018年初旬!
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